加圧トレーニングは何故女性が小さい負荷で行っても筋力アップするのか
加圧トレーニングのメリットの一つに「超低負荷でも筋力アップする」というものがあります。私(鈴木やつか)の指導でも70代の女性が半年で2キロ近く筋肉量が増えるというように、低体力者・女性・中高年以降のご年齢の方でも筋力がアップする例は多く確認されています。
小さな負荷でも大幅な筋力アップができる・・これにはどんな理由があるのでしょうか?加圧トレーニング指導歴10年の筆者が解説いたします。
その秘密は「筋肉が錯覚を起こすこと」
筋肉には、瞬発力を発揮するための大きい筋肉=速筋と、持久力を発揮するための小さな筋肉=遅筋の2種類があります。速筋は筋トレなどで鍛えることで太くなりますが、遅筋は鍛えても太くなりません。
したがって、筋力アップするためには速筋を鍛える必要があるわけです。しかし、速筋は大きい負荷をかけなければ活動を始めません。重たいダンベルやバーベルやマシンを使ってキツイトレーニングをする必要があります。
加圧トレーニングでは、そのような重くキツイトレーニングをしているのと同じように、「脳を錯覚させる」ことができるのです。加圧トレーニングを始めると、すぎに遅筋が活動を始めます。しかし、加圧ベルトで血流を制限しているために血流量が十分でなく、遅筋が活動するために必要な酸素が足りなくなります。
これは大きい負荷の運動を行っているのと同じ状態を、人工的につくり、脳を錯覚させているということなのです。1キロのダンベルで運動しているのに、脳は3キロのダンベルで運動している!と勘違いしているようなものです。
このように、小さな負荷の運動でも加圧をしていることによって多くの筋繊維が活動するため、大幅な筋力アップが可能になります。
速筋と遅筋
速筋の特徴
・瞬発力を発揮するために働く
・とても大きい負荷がかかると動き出す
・すぐに長時間のトレーニングはできない
・体内の糖をエネルギー源にする
・陸上競技で例えるなら100M走(短距離走)の選手が多く持っている筋肉
遅筋の特徴
・持久力を発揮するために働く
・歩行などの小さい負荷で動き出す
・鍛えるには長時間のトレーニングが必要
・体内の酸素をエネルギー源にする
・陸上競技で例えるならマラソン(長距離走)の選手が多く持っている筋肉
低体力者にはほとんど負荷をかけないことも
横浜二俣川のパーソナル&加圧トレーニングのお客様も8割以上が初めは筋トレ初心者の女性です。加圧トレーニングを始めた当初に行うトレーニングではほとんど(負荷)重りをかけずに行います。
脚の運動であればステップ台を昇ったり降りたりする踏み台昇降を20回×2セット程度。もしくは椅子に座ったり立ったりするスクワットを20・15回・10回と3セット程度。
上半身の運動であれば肘を上げて腕を後ろへ伸ばし、二の腕を鍛えるキックバックを20回・15回・10回と3セット程度。台を使って易しくアレンジした腕立て伏せ、タオルを首の後ろへ引いて背中を鍛えるラットプルダウンなど、これら重さを使わない筋トレでも3ヵ月以内にしっかりと筋肉が付いてきます。
まとめ
加圧トレーニングが小さな負荷でも筋力アップする流れと理由は以下の通りです。
加圧トレーニングを始めるとすぐに遅筋が活動を始める
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血流を制限しているため、遅筋が活動するのに必要な酸素が早い段階で足りなくなる
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大きい負荷の運動を行っているのと同じ血流の状態になり、脳が勘違いをする
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重くハードな運動をしていると脳が錯覚し、速筋が活動を始める
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遅筋・速筋が同時に鍛えられるので、小さい負荷でも筋力アップが実現する
特に女性や中高年以降の低体力者が筋肉を付けていきたい場合には大きなメリットを得られます。指導の現場では、ダイエット・ボディメイクの方はもちろん、関節痛の予防・改善に筋肉を付けたい、とお考えの方にも大変喜んでいただいております。
以上、加圧トレーニングが小さな負荷でも筋力アップ効果を発揮する理由について、お伝えさせていただきました。